WO2014109084A1 - コネクタ端子及びコネクタ端子の製造方法 - Google Patents

コネクタ端子及びコネクタ端子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
WO2014109084A1
WO2014109084A1 PCT/JP2013/069265 JP2013069265W WO2014109084A1 WO 2014109084 A1 WO2014109084 A1 WO 2014109084A1 JP 2013069265 W JP2013069265 W JP 2013069265W WO 2014109084 A1 WO2014109084 A1 WO 2014109084A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
connector terminal
layer
thiol
silver layer
benzotriazole
Prior art date
Application number
PCT/JP2013/069265
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
須永 隆弘
喜文 坂
Original Assignee
株式会社オートネットワーク技術研究所
住友電装株式会社
住友電気工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社オートネットワーク技術研究所, 住友電装株式会社, 住友電気工業株式会社 filed Critical 株式会社オートネットワーク技術研究所
Priority to CN201380070098.1A priority Critical patent/CN104919658B/zh
Priority to US14/655,233 priority patent/US9590341B2/en
Priority to DE112013006396.4T priority patent/DE112013006396T5/de
Publication of WO2014109084A1 publication Critical patent/WO2014109084A1/ja

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01RELECTRICALLY-CONDUCTIVE CONNECTIONS; STRUCTURAL ASSOCIATIONS OF A PLURALITY OF MUTUALLY-INSULATED ELECTRICAL CONNECTING ELEMENTS; COUPLING DEVICES; CURRENT COLLECTORS
    • H01R13/00Details of coupling devices of the kinds covered by groups H01R12/70 or H01R24/00 - H01R33/00
    • H01R13/02Contact members
    • H01R13/03Contact members characterised by the material, e.g. plating, or coating materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D3/00Electroplating: Baths therefor
    • C25D3/02Electroplating: Baths therefor from solutions
    • C25D3/46Electroplating: Baths therefor from solutions of silver
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D7/00Electroplating characterised by the article coated
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01RELECTRICALLY-CONDUCTIVE CONNECTIONS; STRUCTURAL ASSOCIATIONS OF A PLURALITY OF MUTUALLY-INSULATED ELECTRICAL CONNECTING ELEMENTS; COUPLING DEVICES; CURRENT COLLECTORS
    • H01R43/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing, assembling, maintaining, or repairing of line connectors or current collectors or for joining electric conductors
    • H01R43/16Apparatus or processes specially adapted for manufacturing, assembling, maintaining, or repairing of line connectors or current collectors or for joining electric conductors for manufacturing contact members, e.g. by punching and by bending
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/12All metal or with adjacent metals
    • Y10T428/12493Composite; i.e., plural, adjacent, spatially distinct metal components [e.g., layers, joint, etc.]
    • Y10T428/12535Composite; i.e., plural, adjacent, spatially distinct metal components [e.g., layers, joint, etc.] with additional, spatially distinct nonmetal component
    • Y10T428/12556Organic component

Definitions

  • a connector terminal according to the present invention has a contact portion in electrical contact with another conductive member, a silver layer, and the silver layer in contact with a solution containing thiol and benzotriazole.
  • the gist is to have a coating layer comprising a film to be formed.
  • thiol is octadecanethiol
  • a high lubricating effect can be imparted to the contact portion.
  • the base material 1 serves as a base material for the connector terminal, and may be made of any metal material. However, the base material 1 exemplifies a case of copper or a copper alloy most commonly used as the base material of the connector terminal. be able to. Further, on the surface of the base material 1, an intermediate layer may be appropriately formed in the lower layer of the silver layer 2 for the purpose of improving the adhesion between the silver layer 2 and the base material 1 or imparting heat resistance. Good. As such an intermediate layer, a nickel layer can be exemplified, and when the base material 1 is made of copper or a copper alloy, it plays a role of preventing diffusion of copper atoms from the base material 1 to the silver layer 2.
  • the silver layer 2 may be composed of either a hard silver layer or a soft silver layer. Preferably, it is a soft silver layer that has a large friction coefficient reducing effect and has low resistance and high heat resistance reliability. Silver has a relatively low resistivity among various metals, and oxidation of the surface does not proceed so much, so that it exhibits a low contact resistance value on the surface.
  • the thickness of the silver layer 2 is preferably in the range of 1 to 10 ⁇ m. If it is thinner than this range, the effect of reducing the contact resistance is reduced. On the other hand, if it is thicker than this range, the friction coefficient of the surface is hardly reduced effectively even if the lubricating layer 3 is formed on the surface due to the softness of silver.
  • the silver layer 2 may be formed by any method, but is preferably formed by an electrolytic plating method from the viewpoint of productivity and manufacturing cost reduction.
  • the solvent forming the solution may be any solvent as long as it can dissolve thiol and benzotriazole, but water is preferably used. This is because water easily evaporates in the atmosphere, and the solvent does not remain on the terminal surface as in the case of using an organic solvent, and the handleability of the connector terminal is not lowered. Moreover, by using water as a solvent, the solution can be easily handled and discarded in the production process, and the waste liquid does not adversely affect the environment.

Abstract

 本発明は,電気接点部の表面に銀層を有するコネクタ端子において,表面の摩擦係数が低減させるとともに,実用性と生産性に優れたコネクタ端子を提供すること,及びそのようなコネクタ端子の製造方法を提供することを目的とする。 コネクタ端子(20)の他の導電部材(29)と電気的に接触する接点部に,銀層(2)と,銀層(2)をチオールとベンゾトリアゾールとを含む溶液に接触させて形成される膜(3)とからなる被覆層(4)を形成する。この溶液は,水を溶媒とすることが好ましく,チオールは,オクタデカンチオールであることが好ましい。

Description

コネクタ端子及びコネクタ端子の製造方法
 本発明は、コネクタ端子及びその製造方法に関し、さらに詳しくは銀層を表面に有するコネクタ端子及びその製造方法に関するものである。
 従来、自動車の電気部品等を接続するコネクタ端子としては、一般に、銅又は銅合金などの母材の表面に金属めっきが施されたものが用いられていた。このようなめっき金属としてはスズが最も一般的であるが、銀も比較的低い接触抵抗を与え、良好な接続信頼性を与えることから、特に大電流用端子などに用いられることがある。
 しかし、銀は軟らかい金属であり、表面での凝着が起こりやすい。これにより、銀めっき端子においては、接点部における摩擦係数の上昇およびそれに伴う耐摩耗性の低下と端子挿入力の増大という問題が発生する。
 端子接点部における摩擦係数を低減するために、接点部に有機成分を含む層を形成し、潤滑効果を付与することが公知である。例えば、特許文献1においては、金などのめっき層の表面にチオール基を含む有機化合物よりなる有機物質結合層を形成し、その上にオイルよりなる潤滑層を形成することが開示されている。また、特許文献2には、フッ素系樹脂微粒子とフッ素系油とが混合された厚さ0.2~0.5μmの塗膜を基材表面に形成することが開示されている。塗布の際、フッ素系樹脂微粒子とフッ素系油は、フッ素系溶剤に分散、希釈される。
特開2000-15743号公報 特許4348288号公報
 上記特許文献1の構成においては、実施例を参考にすると100~400μmの厚さのオイル層が必要であり、このように多量のオイルを使用すると端子接点部がべたついてしまい、実用性が低い。さらに、有機物質結合層を形成する工程と潤滑層を形成する工程とを順次別々に実行しなければならないため、製造工程が煩雑になり、生産性が低くなる。
 特許文献2の構成においても、フッ素系油を含む塗膜をサブミクロンの厚さで塗布しているため、端子接点部がある程度べたついてしまう。また、製造工程においてフッ素系溶剤及びフッ素系油を使用することで、その使用及び廃棄に手間が生じてしまい、コネクタ端子の生産性を低下させる要因となる。
 本発明が解決しようとする課題は、電気接点部の表面に銀層を有するコネクタ端子において、表面の摩擦係数が低減されるとともに、実用性と生産性に優れたコネクタ端子を提供すること、及びそのようなコネクタ端子の製造方法を提供することにある。
 上記課題を解決するために、本発明にかかるコネクタ端子は、他の導電部材と電気的に接触する接点部に、銀層と、前記銀層をチオールとベンゾトリアゾールとを含む溶液に接触させて形成される膜とからなる被覆層を有することを要旨とする。
 ここで、前記チオールとベンゾトリアゾールとを含む溶液は、水を溶媒としていることが好ましい。
 また、前記チオールは、オクタデカンチオールであることが好ましい。
 本発明にかかるコネクタ端子の製造方法は、他の導電部材と電気的に接触する接点部の最表面に銀層を形成した後、前記銀層をチオールとベンゾトリアゾールとを含む溶液と接触させて、前記銀層の表面に膜を形成することを要旨とする。
 ここで、前記チオールとベンゾトリアゾールとを含む溶液は、水を溶媒としていることが好ましい。
 また、前記チオールは、オクタデカンチオールであることが好ましい。
 上記発明にかかるコネクタ端子によると、チオールとベンゾトリアゾールとを含む溶液との接触によって形成される膜が銀層表面の摩擦係数を低減させる。そして、多量の有機分子が銀表面に留まって端子接点部をべたつかせることがなく、実用性に優れる。さらに、チオールとベンゾトリアゾールを溶媒に溶解させ、この溶液を端子材料に接触させるだけで本発明にかかるコネクタ端子を製造することができるので、生産性に優れる。
 ここで、前記チオールとベンゾトリアゾールとを含む溶液が、水を溶媒としていると、溶液の取り扱い及び廃棄等の処理が容易に行えるので、コネクタ端子の生産性が一層向上される。さらに、製造工程において使用される溶媒が環境に負荷や悪影響を与えることが回避される。
 また、前記チオールが、オクタデカンチオールである場合には、高い潤滑効果を接点部に付与可能である。
 上記発明にかかるコネクタ端子の製造方法によると、低摩擦係数であり、実用性に優れたコネクタ端子を、高い生産性をもって製造することができる。
本発明の一実施形態にかかるコネクタ端子の接点部における積層構造を示す模式断面図である。 本発明の一実施形態にかかるコネクタ端子の構成を示す模式図である。
 以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
 本発明にかかるコネクタ端子は、少なくとも他の導電部材と電気的に接触する接点部が、図1に示すコネクタ端子材料10より構成されている。コネクタ端子材料10は、母材1の表面に、銀層2と、その上に形成された潤滑層3よりなる被覆層4を有する。
 母材1は、コネクタ端子の基材となるものであり、いかなる金属材料より構成されてもよいが、コネクタ端子の母材として最も一般的に使用される銅又は銅合金よりなる場合を例示することができる。また、母材1の表面には、銀層2と母材1との密着性を高める、耐熱性を付与する等の目的により、銀層2の下層に、適宜中間層が形成されていてもよい。このような中間層としては、ニッケル層を例示することができ、母材1が銅又は銅合金よりなる場合に、母材1から銀層2への銅原子の拡散を阻止する役割を果たす。
 銀層2は、硬質銀層又は軟質銀層いずれよりなってもよい。好ましくは、摩擦係数低減効果が大きく、低抵抗と高耐熱信頼性を有する軟質銀層であるとよい。銀は種々の金属の中で比較的低い抵抗率を有し、表面の酸化もそれほど進行しないため、表面において低い接触抵抗値を示す。銀層2の厚さは、1~10μmの範囲にあることが好ましい。この範囲よりも薄いと、接触抵抗低減の効果が小さくなる。一方、この範囲よりも厚いと、銀の軟らかさのために、潤滑層3を表面に形成したとしても、表面の摩擦係数が効果的に低減されにくくなる。銀層2は、いかなる方法によって形成されてもよいが、電解めっき法によって形成することが、生産性及び製造コスト抑制の観点から好適である。
 潤滑層3は、銀層2をチオールとベンゾトリアゾールを含有する溶液に接触させて形成されるものである。潤滑層3は、銀層2の表面の摩擦係数を低減する役割を果たす。端子接点部の表面の摩擦係数が低減されることにより、端子接点部の耐摩耗性が向上し、端子挿抜時に必要となる力(挿入力)も低減される。
 潤滑層3を銀層2の表面に形成することで、潤滑剤として一般的な油成分を使用しなくても表面の摩擦係数が低減されるため、油を使用する場合のようなべたつきが発生することがなく、コネクタ端子は実用性に優れたものとなる。
 ここで、銀層2をチオールとベンゾトリアゾールとを含有する溶液に接触させるとは、銀層2をそのような溶液中に浸漬することや、銀層2の表面にそのような溶液を滴下、塗布等することを指す。浸漬、滴下、塗布以外にもどのような形態で溶液を銀層2に接触させてもよいが、潤滑層3を確実に形成するためには、銀層2を溶液中に浸漬して、一定時間放置することが好適である。
 溶液を形成する溶媒は、チオールとベンゾトリアゾールを溶解できるものであれば、どのようなものであってもかまわないが、水を使用することが好ましい。なぜなら、水は大気中で容易に蒸発し、有機溶媒を使用する場合のように、溶媒が端子表面に残留してコネクタ端子の取り扱い性を低下させることがないからである。また、水を溶媒とすることで、製造工程における溶液の取り扱いや廃棄が容易となるとともに、廃液が環境に悪影響を与えることもない。
 潤滑層3に使用されるチオールとしては、潤滑層3として銀表面上に十分安定的に留まることができるだけの大きさの分子量を有し、かつ、溶媒に十分な溶解度で溶解できるだけの小さな分子量を有するものを使用することが好ましい。直鎖アルカンチオールの場合ならば、炭素数が、好ましくは5~30程度、さらに好ましくは10~25程度であるとよい。例えば、オクタデカンチオール(炭素数:18)ならば、水やアルコールをはじめとする溶媒に溶解可能であるうえ、ベンゾトリアゾールとの混合溶液に銀層2を接触させ、乾燥させた後にも、ベンゾトリアゾールとともに銀表面に留まる結果、高い摩擦係数低減作用を示す。表面に潤滑層3が形成されない状態での銀層2表面の摩擦係数は0.6~1.0程度であるが、オクタデカンチオールとベンゾトリアゾールを用いた潤滑層3を表面に形成すると、摩擦係数は0.3以下の小さな値となる。
 次に、本発明にかかるコネクタ端子は、どのような形状を有していてもよいが、一例として、メス型コネクタ端子20の構成を図2に示す。メス型コネクタ端子20は、公知のメス型コネクタ端子と同様の形状を有する。すなわち、メス型コネクタ端子20の挟圧部23は、前方が開口した四角筒状に形成され、挟圧部23内に相手方接続部材であるオス型端子29が挿入される。挟圧部23の底面の内側には、内側後方へ折り返された形状の弾性接触片21が形成されている。弾性接触片21は挟圧部23内部側へ膨出したエンボス部21aにおいてオス型端子29と接触し、オス型端子29に上向きの力を加える。弾性接触片21と相対する挟圧部23の天井部の表面が内部対向接触面22とされ、オス型端子29が弾性接触片21によって内部対向接触面22に押し付けられることにより、オス型端子29が挟圧部23内において挟圧保持される。
 コネクタ端子20を形成する母材1のうち、弾性接触片21と内部対向接触面22の挟圧部23の内側に露出される表面に、銀層2と潤滑層3よりなる被覆層4が形成されている。これにより、弾性接触片21及び内部対向接触面22と、オス型端子29との接点部において、低い摩擦係数が実現されている。ここで、被覆層4は、弾性接触片21の表面全体に形成されていなくても、弾性接触片21のうち、エンボス部21aにのみ形成されていれば十分である。逆に、さらに広い領域にわたって被覆層4が形成されていてもよく、コネクタ端子20を構成する母材1の表面全体を被覆していてもよい。また、オス型端子29の表面にも被覆層4が形成されていてもよい。
 コネクタ端子を形成する順序としては、プレス加工等によって上記メス型コネクタ端子のような端子形状を母材1を用いて形成してから、被覆層4を形成してもよいし、平板状の母材1に被覆層4を形成してから端子形状を形成してもよい。あるいは、平板状の母材1の表面に銀層2を形成してから端子形状を形成し、その後溶液との接触を行って潤滑層3を形成してもよい。機械加工工程での潤滑層3の剥離を慎重に防止する必要がある場合には、少なくとも潤滑層3の形成を、端子形状の加工後に行えばよい。
 以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
[実施例1]
 板状の銅合金母材の表面に、厚さ5μmの軟質銀層を電解めっき法にて形成した。この銀めっき板を、オクタデカンチオール(C18SH)とベンゾトリアゾール(BTA)の混合水溶液(ケミカル電子社製「CE9500W」)に52℃にて1分間浸漬し、取り出し後、自然乾燥させた。
[比較例1]
 実施例1と同様に作成した銀めっき板を濃度0.025%のベンゾトリアゾール水溶液に52℃にて1分間浸漬し、取り出し後、自然乾燥させた。
[比較例2]
 実施例1と同様に作成した銀めっき板を濃度1mMのオクタデカンチオール水溶液に52℃にて1分間浸漬し、取り出し後、エタノールを用いて洗浄し、乾燥させた。
[試験方法]
(摩擦係数の評価)
 端子の挿入力の指標として、実施例1及び比較例1、2にかかる試料片について、動摩擦係数を評価した。つまり、平板状の試料片と半径3mmのエンボス状にした試料片を鉛直方向に接触させて保持し、ピエゾアクチュエータを用いて鉛直方向に5Nの荷重を印加しながら、10mm/min.の速度でエンボス状のめっき部材を水平方向に引張り、ロードセルを使用して(動)摩擦力を測定した。摩擦力を荷重で割った値を摩擦係数とした。各試料片について、5回の独立した測定を行った。
(TOF-SIMSによる表面分析)
 飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)を用いて、実施例1及び比較例2にかかる試料片について、表面に存在する化学種の分析を行った。
[試験結果及び考察]
 表1に、各試料片についての摩擦係数の測定結果を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1によると、オクタデカンチオールとベンゾトリアゾールを混合した溶液に浸漬して潤滑層を形成している実施例1にかかる試料片において、ベンゾトリアゾールのみ(比較例1)あるいはオクタデカンチオールのみ(比較例2)を含有する溶液に浸漬した場合と比較して、低い摩擦係数が観測されている。つまり、オクタデカンチオールとベンゾトリアゾールが浸漬用の溶液に共存することによって、効果的に銀層表面の摩擦係数が低減されている。また、比較例2のオクタデカンチオールのみが溶液中に含有されている場合には、摩擦係数に大きなばらつきがあるのに比べ、実施例1の本発明にかかる試料片においては、安定して低い摩擦係数が得られている。
 次に、TOF-SIMSの観測結果について、主要なフラグメント成分の観測の有無をまとめたものを表2に示す。フラグメント成分が観測された場合を「○」、観測されなかった場合を「×」で示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 実施例1にかかる試料片においては、ベンゾトリアゾール由来の成分とチオール分子由来の成分がともに観測されており、両成分が試料片表面に形成された潤滑層中に含まれていることが分かる。つまり、ベンゾトリアゾール由来の成分とチオール由来の成分が協働して、上記のような摩擦係数の低減を達成していると考えられる。
 比較例2の試料片のような、銀表面上のチオール分子は、S-H結合が解離し、S-Ag結合が形成された銀チオレート構造をとり、緻密に配向された自己組織化単分子膜(SAM)を形成することが広く知られている。銀チオレートの形成に対応して、試料片2については、TOF-SIMSでSAgを含むフラグメントが観測されている。これに対し、実施例1においては、このようなフラグメントは観測されておらず、銀チオレートが形成されていないか、されていても無視できる程度の量であることが分かる。つまり、実施例1の試料片においては、チオール成分が比較例2におけるのとは異なる化学状態でベンゾトリアゾール成分と共存し、摩擦係数の低減に寄与していると考えられる。
 以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。

Claims (6)

  1.  他の導電部材と電気的に接触する接点部に、銀層と、前記銀層をチオールとベンゾトリアゾールとを含む溶液に接触させて形成される膜とからなる被覆層を有することを特徴とするコネクタ端子。
  2.  前記チオールとベンゾトリアゾールとを含む溶液は、水を溶媒としていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ端子。
  3.  前記チオールは、オクタデカンチオールであることを特徴とする請求項1又は2に記載のコネクタ端子。
  4.  他の導電部材と電気的に接触する接点部の最表面に銀層を形成した後、前記銀層をチオールとベンゾトリアゾールとを含む溶液と接触させて、前記銀層の表面に膜を形成することを特徴とするコネクタ端子の製造方法。
  5.  前記チオールとベンゾトリアゾールとを含む溶液は、水を溶媒としていることを特徴とする請求項4に記載のコネクタ端子の製造方法。
  6.  前記チオールは、オクタデカンチオールであることを特徴とする請求項4又は5に記載のコネクタ端子の製造方法。
PCT/JP2013/069265 2013-01-10 2013-07-16 コネクタ端子及びコネクタ端子の製造方法 WO2014109084A1 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN201380070098.1A CN104919658B (zh) 2013-01-10 2013-07-16 连接器端子及连接器端子的制造方法
US14/655,233 US9590341B2 (en) 2013-01-10 2013-07-16 Connector terminal and method for producing connector terminal
DE112013006396.4T DE112013006396T5 (de) 2013-01-10 2013-07-16 Anschlussverbinder und Verfahren zur Herstellung eines Anschlussverbinders

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013002294A JP5464284B1 (ja) 2013-01-10 2013-01-10 コネクタ端子及びコネクタ端子の製造方法
JP2013-002294 2013-01-10

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2014109084A1 true WO2014109084A1 (ja) 2014-07-17

Family

ID=50619404

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2013/069265 WO2014109084A1 (ja) 2013-01-10 2013-07-16 コネクタ端子及びコネクタ端子の製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US9590341B2 (ja)
JP (1) JP5464284B1 (ja)
CN (1) CN104919658B (ja)
DE (1) DE112013006396T5 (ja)
WO (1) WO2014109084A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3252873B1 (en) 2016-06-02 2019-07-24 TE Connectivity Germany GmbH Lubricated contact element and method for production thereof
DE102016215879B3 (de) * 2016-08-24 2018-02-01 Robert Bosch Gmbh Steckkontakt, Verfahren zur Herstellung eines solchen sowie elektrisches Steckverbindersystem
US20180273796A1 (en) * 2017-03-27 2018-09-27 Delphi Technologies, Llc Self-healing coating
CN108987962B (zh) * 2017-06-05 2021-12-03 日立金属株式会社 压接端子、带端子的电线以及带端子的电线的制造方法
DE102020106194A1 (de) * 2020-03-06 2021-09-09 Lear Corporation Elektrischer Verbinder und Verfahren zur Herstellung eines elektrischen Verbinders
US11548052B2 (en) 2020-03-26 2023-01-10 Te Connectivity Solutions Gmbh Self-lubricating connector
JP6872088B1 (ja) 2020-03-27 2021-05-19 日本航空電子工業株式会社 接点部材、コネクタ、組成物、接点部材の製造方法
JP7044847B1 (ja) * 2020-10-14 2022-03-30 日本航空電子工業株式会社 摺動部材およびその製造方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05311492A (ja) * 1991-12-25 1993-11-22 Nikko Kinzoku Kk 貴金属めっき材の封孔処理方法
JPH09249977A (ja) * 1996-03-13 1997-09-22 Nikko Kinzoku Kk 銀めっき材の表面処理液およびそれを用いる表面処理方法
JP2000015743A (ja) * 1998-06-29 2000-01-18 Japan Aviation Electronics Ind Ltd めっき材
JP2000282033A (ja) * 1999-01-25 2000-10-10 Harufusa Hiuga 金属表面処理剤及び金属層の表面処理方法
JP2008192610A (ja) * 2007-01-12 2008-08-21 Furukawa Electric Co Ltd:The 電気接点材料、その製造方法、及び電気接点
JP4348288B2 (ja) * 2004-12-20 2009-10-21 株式会社神戸製鋼所 コネクタ接点材料

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3281763A (en) * 1964-04-24 1966-10-25 Amp Inc Contact assembly means and method
US5498166A (en) * 1994-06-30 1996-03-12 The Whitaker Corporation Interconnect system
US6180288B1 (en) * 1997-03-21 2001-01-30 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Gel sensors and method of use thereof
DE19733731A1 (de) * 1997-08-04 1999-02-25 Siemens Ag Integrierte elektrische Schaltung mit Passivierungsschicht
US6071141A (en) * 1998-05-14 2000-06-06 Berg Technology, Inc. Connector latches
US6407847B1 (en) * 2000-07-25 2002-06-18 Gentex Corporation Electrochromic medium having a color stability
DE10261303B3 (de) * 2002-12-27 2004-06-24 Wieland-Werke Ag Verbundmaterial zur Herstellung elektrischer Kontakte und Verfahren zu dessen Herstellung
US7104850B2 (en) * 2004-08-18 2006-09-12 Yazaki Corporation Low insertion-force connector terminal, method of producing the same and substrate for the same
CN101689720B (zh) * 2007-06-29 2012-12-12 古河电气工业株式会社 耐微振磨损性连接器及其制造方法
TWI453301B (zh) * 2007-11-08 2014-09-21 Enthone 浸鍍銀塗層上的自組分子

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05311492A (ja) * 1991-12-25 1993-11-22 Nikko Kinzoku Kk 貴金属めっき材の封孔処理方法
JPH09249977A (ja) * 1996-03-13 1997-09-22 Nikko Kinzoku Kk 銀めっき材の表面処理液およびそれを用いる表面処理方法
JP2000015743A (ja) * 1998-06-29 2000-01-18 Japan Aviation Electronics Ind Ltd めっき材
JP2000282033A (ja) * 1999-01-25 2000-10-10 Harufusa Hiuga 金属表面処理剤及び金属層の表面処理方法
JP4348288B2 (ja) * 2004-12-20 2009-10-21 株式会社神戸製鋼所 コネクタ接点材料
JP2008192610A (ja) * 2007-01-12 2008-08-21 Furukawa Electric Co Ltd:The 電気接点材料、その製造方法、及び電気接点

Also Published As

Publication number Publication date
CN104919658B (zh) 2017-09-19
US20150357737A1 (en) 2015-12-10
JP2014135191A (ja) 2014-07-24
DE112013006396T5 (de) 2015-09-24
CN104919658A (zh) 2015-09-16
US9590341B2 (en) 2017-03-07
JP5464284B1 (ja) 2014-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5464284B1 (ja) コネクタ端子及びコネクタ端子の製造方法
JP6183543B2 (ja) 端子対及び端子対を備えたコネクタ対
JP5138827B1 (ja) 電子部品用金属材料、それを用いたコネクタ端子、コネクタ及び電子部品
TWI489002B (zh) Surface treatment plating material and manufacturing method thereof, and electronic parts
US10177478B2 (en) Board terminal and board connector
JP2013221166A (ja) 電子部品用金属材料
TW201527596A (zh) 鍍錫之銅合金端子材料
JP2015063750A (ja) 挿抜性に優れた錫めっき銅合金端子材
JPWO2009005041A1 (ja) 耐フレッティング性コネクタおよびその製造方法
TW201718949A (zh) Sn鍍敷材及其製造方法
JP2009099282A (ja) 嵌合型コネクタ
US9954297B2 (en) Terminal fitting and connector
JP2014139345A (ja) 表面処理めっき材およびその製造方法、並びに電子部品
JP6553333B2 (ja) 電子部品用金属材料、それを用いたコネクタ端子、コネクタ及び電子部品
CN109845041B (zh) 连接端子及连接端子的制造方法
JP6503159B2 (ja) 電子部品用金属材料、それを用いたコネクタ端子、コネクタ及び電子部品
US7104850B2 (en) Low insertion-force connector terminal, method of producing the same and substrate for the same
JP2014175196A (ja) コネクタ用接続端子
JP2014084476A (ja) 表面処理めっき材およびその製造方法、並びに電子部品
CN109863260B (zh) 电触点、连接器端子对以及连接器对
JP2006131977A (ja) メッキコンタクト及びコンタクトのメッキ方法
JP6443092B2 (ja) 錫めっき銅合金端子材
JP2018053315A (ja) 銀めっき材およびその製造方法
JP2014005483A (ja) 挿抜性に優れた錫めっき銅合金端子及び端子材
JP2015124433A (ja) 挿抜性に優れた錫めっき銅合金端子材

Legal Events

Date Code Title Description
121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application

Ref document number: 13870624

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1

WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: 14655233

Country of ref document: US

WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: 1120130063964

Country of ref document: DE

Ref document number: 112013006396

Country of ref document: DE

122 Ep: pct application non-entry in european phase

Ref document number: 13870624

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1